「帰ってきたウルトラマン」の次の作品として登場したのが、「ウルトラマンA(エース)」です。この作品では今までにない演出があり、宿敵の登場やウルトラ兄弟の存在などが描かれています。

作品のストーリーとしては、異次元世界のヤプール人が怪獣よりも強い「超獣」を使って地球を侵略するものになっています。最初にベロクロンを広島県福山市に送り込み、街を壊滅させ、そこで人々を守った北斗星二と南夕子が犠牲になりました。

ヤプールの野望を阻止するためにやってきたのがウルトラマンエースで、北斗と夕子に自分の命を分け与えて、地球上で戦うことを決心しました。後にこの2人は防衛チームのTACに入隊し、ヤプールと立ち向かうことになります。

前作のウルトラマンとセブンの登場が好評だったため、ゾフィーやジャックもゲスト出演することもあり、ウルトラ兄弟の設定が明確になった作品でもあります。超獣が怪獣よりも強いという印象を与えるため、超獣ドラゴリーが怪獣ムルチ二代目を惨殺するシーンもありました。

中盤でヤプールは全滅するものの、超獣が自然発生的に出現するといったこともあり、超獣は単に生物兵器として生まれたものではないことも伝わります。ヤプールが全滅しても、その残党がエースに戦いを挑むというシーンが最終回まで続きます。

ウルトラマンエースは北斗と夕子の2人が合体して変身します。両者が装着しているウルトラリングを合わせることで変身するため、どちらかが負傷していると変身後のエースにも大きく影響します。途中で夕子が月に帰った後は、北斗が2つのリングを使い、単独で変身するようになります。

エースはウルトラ戦士の中でも特に光線技の数が多く、光を使った切断技は多くのバリエーションを誇り、シリーズでは「光線技の名手」ともいわれていて、ファンの間では「ギロチン王子」とも呼ばれています。

頭部にある穴はウルトラホールと呼ばれ、ここにエネルギーを集めることができます。必殺技はメタリウム光線で、エースが最も得意とする光線技であり、体をひねりながら両腕を伸ばして、L字型に腕を組んで発射します。

決め手としてメタリウム光線を使うことがありましたが、エースキラーのように防ぐ敵もいました。エースキラーを倒した技は、4兄弟の力をウルトラホールに集めて発射するスペースQで、最大の破壊力を持ちます。

光線技を使って相手を切断することを得意としており、その代表格であるウルトラギロチンは、エネルギーを丸いのこぎり状にして相手に投げつけます。

同じギロチン技にバーチカルギロチンもあり、腕を交差してから上下に素早く振り、三日月状の光線を出し、相手を真っ二つにします。

これらのほかにも様々な光線技を持ち、いろんな手法を使って超獣を倒してきたのです。エースの光線技で切断系が多いのは、やっぱり超獣を相手にすると体を切るしか方法がなかったのではないかと思います。他の作品でもエースが活躍することがあり、今ではウルトラ6兄弟として伝説的存在になっています。